昨日4時くらいにICUのボスから電話が。
ボス「W、HKL(クアラルンプール病院)に患者搬送してくれない?」
僕「・・・(嫌な予感がする)」
ボス「ogds(胃カメラ)とcolonoscopy(大腸カメラ)やって貰いに連れて行ってあげて。」
僕「良いですよ。」
軽い気持ちで答えたのが間違いでした。
僕は連れて行って終わりだと思ったんですが、、、
まさかHKLで麻酔をするとは思いませんでした。
着いて、HKLの麻酔科医に患者さんの情報を申し送ったら
「忙しいから貴方麻酔してくれる?」
って言われて、居なくなられました。。。
IJNでも麻酔したことないのに。。。
まさか海外の初麻酔が単独出張麻酔とは思いませんでした笑
IJNは完全に心臓に特化した施設なので、侵襲治療を必要とする他の科(外科、脳外科、消化器内科)などは有りません。
物がないので、どんなに患者さんの状態が悪くても無理やり搬送するしか無いという残念な環境です。(日本だと医者と機材が出張する方が普通です)
しかし麻酔器はどの国も同じ、HKLにはセボフルラン、デスフルラン、エフェドリン、フェニレフリン、ロクロニウムなどの慣れ親しんだ薬があり、IJNよりも日本に近い麻酔をすることが可能でした。
IJNでは昇圧剤(血圧を上げる薬)がフェニレフリン(これは日本でも一般的です)と希釈したエピネフリンです。
エピネフリンって蘇生薬ですからね笑
本当に野蛮です笑
ほぼ亡くなりそうな患者さんでしたが、何とか乗り越えて無事IJNへ戻ってくることができました。
麻酔時間は2時間程度。ビザがないので出張麻酔をしてもボランティアです!!
しかも呼吸状態が悪すぎて、麻酔器では換気出来ずずっと手で換気していたので手が疲れました笑(たった2時間でこんなこと言ったら昔の上司に怒られそうですけど)
「W、これは貴方にとってメモリアルな症例ね!」
とねぎらってくれたメンバーと記念撮影。
搬送中に持続のエピネフリン(蘇生薬なので切れたら死んじゃいます)のシリンジポンプ(持続注入機)が故障して一瞬冷や汗かきましたけど、何とかなりました。
経験値は間違いなくたまった?と思います笑
上の写真の救急車、、、
物置くところもないしコンセントもないしほんと終わってます笑
モニターずっと膝の上に置いてました笑
過去に状態が悪い患者さんを5時間かけて雪道を陸路で搬送したり、ドクターヘリ、防災ヘリなどで搬送した経験が役立ちました。
モニターが揺れたりしてあてにならなかったり、機材のトラブルは当たり前かつ患者さんの状態を把握しにくい環境での経験がここで生きるとは思いませんでした。
今までの症例に感謝ですね。
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