さて、誰が読んでるんだよというマニアックな話題。
今回は僕が日本で現在取り組んでいる(元同僚にデータを取ってもらっています。ありがとうございます。)臨床研究について紹介します。
【小児先天性心疾患の周術期(術前、中、後)における選択的頭部冷却法の有用性について】です。
このように学会や教科書よりも有用な情報を個人のブログや掲示板で取り上げていけば、数年後には更に世の中の無駄を省くことができるかもしれませんね。
ネット上でやりとりすれば、直接出向いて話す必要なんて有りませんし。
この話題はまた今度にしましょう。喧嘩が起こりそうなので笑
では本題です。
小児先天性心疾患患者さんは、ハイフロー(高肺血流)、ローフロー(低肺血流)、ミキシング不良によって心不全の状態になっています。
心不全の状態では、小児の熱放散(熱を下げる方法)の機能が失われて鬱熱状態になることがわかっています。
一度心不全で鬱熱になってしまうと、酸素需要が上がってしまい、頻脈にもなり循環が破綻します。このように悪循環にはまると、簡単に心不全を解除することはできません。
高体温による悪影響(酸素需要増加や頻脈)を抑えるには、深部体温(心臓の温度)を下げてやる必要があります。心臓に加えて脳代謝は体温が上がれば上がるほど上がってしまい、脳細胞に悪影響を及ぼすので脳も冷やす必要があります。
ただ闇雲に氷を体に当てたり、風を吹きかけるなどをしても体温は下がりにくいですし、かつ冷却によって手足や他の臓器の温度が下がり、機能不全となってしまう恐れがあります。
つまり、手足全身を温めながら、同時に心臓と脳を冷やしたいわけです。
この状況を解決するのが、選択的頭部クーリングギア(下の図の頭の下に引いてあるやつです。クルッとギア状に頭部に巻くことが出来ます)を使った頭部冷却と加温送風機による全身加温の組み合わせです。
この方法によって我々は深部温度と手足の温度を強制的にコントロールし、心不全による悪循環を断ち切ることが出来ると考えています。
当研究について意見、質問等があればコメントにて受け付けます。
一度試せば分かります。効果は「絶大」です。
興味のある方は連絡ください。
*当研究はメディサーム、マキシサーム(アイ・エム・アイ)を使用していますが、一切の補助を受けていません。
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